取材から脚本・撮影現場の監修まで、病院が全面協力

 本作は、栃木県最南端の野木町にある「リハビリテーション花の舎(いえ)病院」から、取材協力・脚本監修・現場監修の全面協力を得た。

 

 まず、監督と主演の宇野愛海と、リハビリ部長、リーダーの男性2人、1年目と2年目の女性2人の療法士さんを取材し、日野課長、田口リーダー、遥の参考にした。

 監督のプロットがあがった後、療法士さんにご意見を伺い、今度は元患者さん2人を取材。その内のお1人は30代だったため、柘植のリハビリの進捗の参考とさせて頂き、各リハビリシーンの内容を決めていった。

左から監修の横尾一徳さん、佐藤快磨監督、加藤大志カメラマン

 撮影期間中は、リハビリシーンはもちろん、他のシーンでも監修についてくださった。

左から落合モトキさん、監修の熊倉康博さん、宇野愛海さん、佐藤快磨監督


<監修・横尾一徳さん、熊倉康博さん(リハビリテーション花の舎病院)よりコメント>

 療法士の仕事は多岐に及んでいますが、在宅復帰や社会復帰への架け橋である回復期リハビリテーションで働く療法士として、私たちが日々患者さんとともに、努力していることをひとつの形にして頂けることは大変ありがたいことだと思っています。

 

 時間の都合もあり、伝えられることが限られている中で、なるべく現実に近い形で撮影して頂けるようにすることが、非常に難しかったところです。しかし、佐藤監督、登山プロデューサーは何度も取材や打ち合わせのために来院され、私たちと意見交換をして頂きました。撮影時は本当に細かなところまで、忠実に再現するために何度も何度も時間の許す限り撮り直し、絶対に妥協をしない姿勢に驚き、そのようなやり取りの中で、私たちもできるだけ作り手の方々の想いを形にできればと思いました。

 撮影当日には役者さんを始め、各スタッフの方々にも、私たちの想いを真摯に聞いて頂き、演技・撮影に忠実に反映して頂けたと思っています。

 宇野愛海さんは、映画撮影の取材時より同席していただき、リハビリテーションの臨床現場における出来事やセラピストの感情など真剣に聞いていただきました。そして撮影前日の実技練習では初めての経験ということもあり、緊張されている様子でした。しかし撮影が進むにつれて、実技が上達されていく姿には驚きました。また演技では鬼気迫るものがあり、その姿には圧倒されました。

  板橋駿谷さんは、主人公の先輩役として実技もより難しい内容になっていましたが、リハビリを受けた経験もあり、初めてとは思えないほど忠実に再現して頂けました。また先輩役としての優しさと厳しさの絶妙な雰囲気がすごく伝わるものでした。

 山中聡さんは、主人公の上司役として、前日より病院やリハビリの見学をして下さり、演技に対する熱意が伝わりました。演技では実技の部分もしかり、言葉遣いとして北関東の方言を用いるなど細かい部分まで忠実に表現して頂きました。

 

 療法士を目指す学生さんや現役の療法士はもちろん、沢山の方々に観て頂ければ幸いです。


 患者役の落合モトキは、撮影前に病院に見学・取材に訪れ、撮影時には病院関係者に「本物の患者にしか見えない!」と言わしめ、先輩療法士役の板橋駿谷も、ご自身がリハビリ病院に通った経験を活かした患者への声がけが素晴らしく、病院関係者が「彼はセラピストになる特訓をしたのか?」と目を見張る程だった。

 本作を観れば、回復期リハビリテーション病院で働く理学療法士の1日や、患者さんが入院してから退院するまでの流れが大体わかるが、監督が療法士さんと元患者さんに取材したり、朝から晩まで回復期リハビリ病院で見学して感じた、「療法士さんと患者さんは、お互い気を遣い合っている」ことから起こるドラマや、遥や柘植の恋人との関係なども絡み合ったストーリーとなっている。